乾癬は、皮疹を伴う慢性の皮膚の病気です。日本には約40万~50万人1), 2)の患者さんがいますが、約2:1の割合で男性に多くみられます3)。まずは、乾癬の主な症状などについて理解しましょう。
乾癬は慢性的な皮膚の病気であり、その主な症状は、皮膚が赤くなって盛り上がる「紅斑(こうはん)」、次第にその表面が銀白色の細かいかさぶた「鱗屑(りんせつ)」で覆われ、やがてそれがフケのようにボロボロとはがれ落ちる「落屑(らくせつ)」です。
鱗屑(りんせつ)、落屑(らくせつ)
白く細かいかさぶたのような状態を鱗屑といい、それがフケのようにボロボロはがれ落ちると落屑となります。
乾癬では頭皮や生え際の皮疹がよくみられ、初発症状のこともよくあります。
ひじやひざなど、物理的刺激を受けやすい部位で乾癬の皮疹がよくみられます。
紅斑(こうはん)
まるいやや盛り上がった赤い皮疹を紅斑といい、尋常性乾癬で特徴的です。
爪
乾癬患者さんの2割程度に爪の病変がみられます。
患者さんの数は、欧米では人口の2~3%を占め4)、珍しい病気ではありません。日本では、かつては極めてまれな病気でした。しかし、近年は生活習慣(食生活など)の変化や、ストレスの増加など、さまざまな要因から、患者さんの数は徐々に増加し、今では決してまれな病気とはいえなくなりました。
現在、日本には、約40万~50万人1), 2)の乾癬の患者さんがいます。
発症する時期は、思春期以降、あるいは中年以降が多いのが特徴です。
日本では、男性:女性=2:1と男性に多くみられますが3)、諸外国では必ずしも男性に多いわけではありません。
皮疹は、大きさ、形がさまざまで、症状が進むと数が増え、いくつかの皮疹が一緒になったり、全身に及んだりすることがあります。約半数(約5割)の方にかゆみがみられ、時に強いかゆみを生じる場合もあります。
爪の変形や関節炎(関節の痛み、腫れ)を伴うこともあります。