総合監修:社会福祉法人聖母会聖母病院 皮膚科部長 小林 里実 先生

掌蹠膿疱症を知ろう
掌蹠膿疱症の治療法
掌蹠膿疱症のQ&A

掌蹠膿疱症Q&A

検査・治療について

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どんな治療法がありますか?

悪化因子を取り除く治療と薬物療法などがあります1-5)

悪化因子を取り除く治療

悪化因子の除去では、病巣感染(びょうそうかんせん)(扁桃炎、歯の根元や周囲の歯周炎、副鼻腔炎など)の治療が行われます。いずれも自覚症状がないことが多いのですが、治療にあたって、歯科や耳鼻科の受診が必要になる場合もあります。悪化因子がみつかれば、治療により掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の症状が徐々に改善することもあります。

扁桃が病巣である場合[病巣扁桃(びょうそうへんとう)]は、それを検査できる方法が現在のところありませんので、風邪をひいてのどを痛める度に皮膚症状や関節症状の悪化を経験したことがあれば、主治医に伝えましょう。病巣扁桃の治療は扁桃摘出が考慮されます(詳細は「扁桃炎や歯周炎などの治療、禁煙など」を参照)。

金属アレルギーが疑われる場合は、パッチテストを行って歯の詰め物(歯科用金属)に陽性となった金属が使われているかを確認したり、金属を含有する食べ物をとりすぎていないかなども含めて総合的に判断されます。

薬物療法など、その他の治療法

塗り薬による治療(外用療法)や、その他にも飲み薬(内服療法)、光線(紫外線)療法、注射療法(生物学的製剤による治療)があります。

1) 形浦昭克.: 耳鼻臨床., 95, 763, 2002

2) 石黒壽ほか.: 歯学, 88: 256, 2000

3) Akiyama, T., et al.: J Dermatol., 22: 930, 1995

4) 小林里実.: 皮膚臨床., 60: 1539, 2018

5) 伊藤明子.: Visual Dermatology., 16: 1161, 2017