掌蹠膿疱症で行われる検査とは?
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掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の診断にあたり、次のような検査や問診が行われます。
検査
皮膚の症状などを確認して、掌蹠膿疱症の診断を行います。
ダーモスコピー/皮膚生検
掌蹠膿疱症の特徴である無菌性の水疱や膿疱を確認するために、ダーモスコピーや皮膚生検が行われます。ダーモスコピーとは、ダーモスコープという特殊な拡大鏡を使って皮膚の表面を観察する検査です。
他の疾患と鑑別が難しい場合は、皮膚生検を行うことがあります。皮膚生検は病変の一部をメスなどで取って、顕微鏡で観察して調べる検査です。
血液検査
関節炎の炎症の程度や合併症の有無を確認するために、血液検査を行うことがあります。白血球数やCRP(C反応性タンパク)値は、脊椎炎や仙腸関節炎があると高い数値を示します。血液検査は関節リウマチとの鑑別などにも使われます。
歯科検診
歯に痛みなどの症状が出ていない場合もあるので、歯科で歯性病巣の有無を確認します。
金属パッチテスト
金属アレルギーが疑われる場合に行います。背中や上腕の内側にアレルギーの原因と思われる物質(アレルゲン)を貼り、48時間後、72時間後、1週間後に皮膚反応が出ているか判定します。
単純X線撮影、MRI
関節症状を伴う場合に行います。単純X線撮影では骨びらん(関節破壊)や骨硬化など骨の構造の変化を確認することができ、MRI(脂肪抑制画像)ではさらに炎症の存在を確認できます。
真菌検査(KOH直接鏡検)
掌蹠膿疱症に似た症状を示す皮膚疾患のひとつに白癬(はくせん)(みずむしなど)があります。その鑑別診断のために、病変部位の角質をけずり取って、水酸化カリウム(KOH)溶液に混ぜて顕微鏡で観察し、真菌の有無を確認する検査が行われることがあります。
問診
掌蹠膿疱症と診断されたら、患者さんの状況を確認します。
喫煙歴、病巣感染を思わせる所見や治療歴(扁桃炎や歯周炎など)、前胸部痛などの骨関節症状の有無、合併症(下痢や高脂血症など)の有無や治療歴などが確認されます。