指関節の痛み・腫れが気になるときは?1)〜3)
乾癬には、皮膚の症状に加えて関節の痛みや腫れの症状が現れる乾癬性関節炎(関節症性乾癬)という種類があります。乾癬性関節炎(関節症性乾癬)では手足の指の第一関節に痛みや腫れの症状が多く現れます。しかし、同じような症状が現れる乾癬以外の病気もあります。このページでは、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の特徴を他の病気と比較していきます。
指の関節が痛くなる病気には乾癬性関節炎(関節症性乾癬)のほかに関節リウマチ、ヘバーデン結節などがあります。
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)では、手足の指の第一関節に痛みや腫れ、変形の症状が現れることがあります。ただ、こういった症状は、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)だけではなく、関節リウマチやヘバーデン結節という他の病気でも現れることがあります。
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)は手足の指がソーセージのように腫れる、関節リウマチは両方の手足が対称的に腫れる、へバーデン結節は関節の背側にこぶができるといった特徴があります。
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)では、手足の指の第一関節に痛みや腫れ、変形の症状が現れることがあります。ただ、こういった症状は、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)だけではなく、関節リウマチやヘバーデン結節という他の病気でも現れることがあります。
それぞれの病気の症状を確認してみましょう。
関節リウマチ
関節リウマチは全身の関節に痛みが生じます。この関節痛は全身に同時に起こるのではなく、一部の関節に症状が生じ、その痛みが全身の関節を転々と移動していくことが特徴です。ただ、初期の痛みは、押すと痛む、動かすと痛むというように、動かずにいるときは痛まないことがほとんどです。関節リウマチでは腫れが出ることもあり、初期の段階では、両方の手や足の関節が対称的に腫れ、こわばるようになります。症状が進むと大きな関節にも症状が起こります。
関節リウマチは全身に影響のある病であるため、貧血の症状や微熱などの症状が出ることがあり、そうなると症状が悪化します。
ヘバーデン結節
ヘバーデン結節の特徴は、第一関節の背側に2つのこぶ(結節)ができることです。症状としては、人差し指から小指にかけて第一関節に赤みを帯びる、腫れる、痛む、曲がったままになるなどがあります。ごくまれに、親指にも症状が現れる場合があります。
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)は、主に4症状があります(「乾癬による関節の腫れや痛み」の項参照)。
痛くて夜間に目が覚めたり、朝の起床時にこわばりが現れたりし、動き始めると症状は軽快することが多いようです。
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の4症状
付着部炎
全身の関節にも炎症、こわばり、変形などが生じる症状です。足裏の腱やアキレス腱の付着部に痛みや腫れが現れることもあります。
指趾炎
手足の指の腫れの症状です。手足の指全体がソーセージのように腫れることがあります。
末梢関節炎
手足の指先の第一関節に腫れや痛みが出る症状です。最も多い症状になります。
体軸関節炎
背中や首、腰に痛みやこわばりが現れる症状です。
1本の指全体が腫れる場合は乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、複数の指が腫れる場合は関節リウマチやヘバーデン結節といった違いがあります。
では、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の症状が他の病気の症状とどう違うのか比較してみましょう。例えば下の表のように、指の関節への症状の現れ方には特徴がみられます。
乾癬性関節炎 (関節症性乾癬) |
関節リウマチ | ヘバーデン結節 |
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乾癬性関節炎(関節症性乾癬) |
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関節リウマチ |
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ヘバーデン結節 |
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乾癬性関節炎(関節症性乾癬)でも、左右非対称に少ない関節が腫れるタイプのほか、関節リウマチに似て左右対称に多くの関節が腫れるタイプもあり、関節リウマチと合併して発症したりすることもあります。
関節が痛い、腫れが気になる場合はすぐに医師に伝えましょう。
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)は、治療をしなければ、関節が破壊されて指が短くなってしまうなど、日常生活に支障が出てしまいます。症状が現れてから診断までの期間が遅れると、症状が悪化し予後が悪くなることもあります。
同様に、関節リウマチやヘバーデン結節も進行性の病気であるため、早めの診断と治療が必要です。関節が痛かったり、腫れが気になったりする方は、早めに医師に診察してもらいましょう。
病院では、関節の痛みや腫れなどの症状に加えて、関節の様子をみるX線検査、関節リウマチの可能性を確認する血液検査など、さまざまな検査を行って診断します。
どこを受診したらよいかとお悩みの方は、かかりつけの病院があればまずはそちらに相談しましょう。爪や皮膚にも症状があらわれている場合は、皮膚科医に相談し、関節の痛みや腫れについても伝えましょう。専門外の病院の場合、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)を考慮した診察が難しい場合もあるため、かかりつけ医から専門医を紹介してもらうとよいでしょう。
参考
- 1) 乾癬性関節炎診療ガイドライン2019, 日本皮膚科学会乾癬性関節炎診療ガイドライン作成委員会
- 2) 公益社団法人日本整形外科学会 関節リウマチ
(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/rheumatoid_arthritis.html)(2024年3月9日アクセス) - 3) 公益社団法人日本整形外科学会 へバーデン結節(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/heberden_nodes.html)(2024年3月9日アクセス)
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