皮疹が出やすい状況や部位
皮膚を掻くなどの物理的な刺激やストレスなど、さまざまな理由で乾癬の皮疹は起こりやすくなります。皮疹の出やすい状況や部位についてご紹介します。
外用療法(塗り薬)には、ステロイド外用薬、活性型ビタミンD3外用薬があり、さらに軟膏、クリーム、ローションなどの剤形があります。それぞれの塗り薬に特徴があり、皮疹の程度や部位に合わせて選択されます。
塗り薬は、皮疹に直接塗ることで治療効果を発揮します。乾癬治療では炎症を抑える「ステロイド外用薬」、角質細胞の異常な増殖を抑える「活性型ビタミンD3外用薬」の2種類が用いられます。また、2種類をあらかじめ混合した「配合剤」も使用されることがあります。
塗り薬は、医師や薬剤師の指示を守って規則正しく、適正な量を使用することが大切です。
自己判断で塗る量を増やしたり、回数を減らしたりすると、思わぬ症状の悪化を引き起こすことがあります。一般に、0.5gで大人の手のひら2枚分の面積が塗れます。軟膏やクリームでは大人の人差し指の先から第一関節まで押し出した量、ローションでは1円玉大の量が目安になります。医師の指示を守って、強くこすらずやさしく塗りましょう。(「今さらだけど、塗り薬の正しい塗り方は?」の項参照)
歯磨き後や入浴後など、塗るタイミングを決めておくと、忘れずに塗ることができます。特に入浴後は薬が浸透しやすいため、すぐに塗ると効果的です。
かゆみや刺激症状などの皮膚の副作用が起こることがあります。このような副作用が現れたときは、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
キャップをきちんと閉め、通常、室温で保存します。高温になるところや、直射日光が当たる場所は避け、子どもの手の届かないところで保管しましょう。
乾癬の治療法にはそれぞれ長所と短所がありますが、複数の治療法を組み合わせることで治療効果を高め、副作用のリスクを下げられる場合があります。2つ以上の治療を同時に行うことを「コンビネーション療法」といい、「外用療法+外用療法」「外用療法+内服療法」「外用療法+光線療法」の組み合わせがあります。
また、コンビネーション療法のひとつに「シークエンシャル療法」があります。はじめに効果の強い治療方法を用い、症状の改善に合わせて段階的に副作用が少ない治療へ移行する方法です。例えば外用療法では、ステロイド外用薬で早期に寛解導入し、活性型ビタミンD3外用薬へ移行する方法がよく用いられます。現在は、ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬とをあらかじめ配合した製剤も使用できるようになっています。